本実験の第一の目的は、弁別閾を測定することであり、もとの重さの感覚よりも重い感覚変化を生じさせる刺激変化量を最小値である上弁別閾と、軽いという感覚変化を生じさせる下弁別閾の測定を行う。
第二の目的として、ウェーバーの法則が本実験においても確認できるかどうかを検討する。
目的
人間の知覚(反応)と外界の実体(刺激)の対応は必ずしも単純な関数関係にはならない。たとえば2つの錘を持ち、「同じである」と感じる時のそれぞれの錘の重さを主観的等価値と呼ぶ。これは人間の感覚についてのものさしである。人間の知覚は絶対的なものではないのである。また、十分に大きな反応比率を与える標準刺激と比較刺激の差のことを2つの刺激を十分に区別できるという意味で弁別閾という。
本実験は、弁別閾を用いて人間の感覚の閾値について検証する。どの程度の重さの違いがあれば感知することができるのか、その変化量のことを弁別閾という。本実験では、重さの弁別閾について検証を行う。
第一の目的は、弁別閾を測定することであり、もとの重さの感覚よりも重い感覚変化を生じさせる刺激変化量を最小値である上弁別閾と、軽いという感覚変化を生じさせる下弁別閾の測定を行う。本実験では、50%の確率で違うと判断できるところを弁別閾とした。
Weber(1949)は刺激の弁別閾は基準となる基礎刺激の強度に比例することを見だした。はじめに加えられる標準刺激量の強度をWとし、これに対応する識別閾値を⊿Wとすると、Wの...