社会科改訂の趣旨と要点の考察
◇社会科全体の改訂の趣旨と要点
平成20年度版学習指導要領における社会科の「改善の基本方針」には、「社会的事象に関心を持って多面的・多角的に考察し、公正に判断する能力と態度を養い、社会的な見方や考え方を成長させること」「各種の資料から必要な情報を集めて読み取ること」「社会的事象の意味、意義を解釈し、事象間の関連を説明し、自分の考えを論述すること」「さまざまさ伝統や文化、宗教についての理解」「公共的な事業に自ら参画していく資質や能力を育成すること」があげられている。これらをまとめると「(1)基礎的・基本的な知識、概念や技能の習得」「(2)言語活動の充実」「(3)社会参画、伝統や文化、宗教に関する学習の充実」の3つにわけられる。これらのことを中心に改訂の趣旨と要点を整理し、考察していく。
基礎的・基本的な知識、概念や技能の習得
今次改訂では現行と同様に「生きる力」を育むこと目指しているが、その際、知識や技能を身につけ、それを活用する思考力、判断力、表現力を養い、探究活動を行うことができるようにするという戦略にたっている。そのため、社会科ではまず身につけるべき...