学歴社会における高学歴化と学力低下
教育改革が叫ばれる現在の日本において、ゆとり教育の改善やカリキュラム内容の見直しなど、安易なソフトの部分だけの変革が行われてきているが、もっと本質的な社会のあり方を変えなければ、本当の意味での教育改革など到底なしえないと思う。その社会のあり方というのが『学歴偏重社会』である。今でこそ、「学歴社会が崩壊した」だの「実力・能力社会になった」だのいわれるが、人々の根底に学歴重視の意識は消えていない。やはり東大や京大出身と言われると上向きの目で見てしまうし、中卒や高校中退と聞くと下に見てしまう。また、企業や官公庁においても、採用の条件に学歴を重視していることも多く、入社後の出世コースや給与にまで影響してくることも多々ある。こういった社会の風潮をかんがみると日本は立派な『学歴社会』である。そのため多くの高校生が「せめて大学くらいは出ておかないと」という程度の気持ちで大学へ進学する。その数が高校生全体の50%を超え、世界的に見ても日本は『高学歴社会』であるともいえる。
しかし、この学歴社会が良いか悪いかというと、決して悪いとは言い切れない。自分自身がそのレールに...