嚥下とは物を食べるための一連の動作の過程を指し、「食べ物を認識し」、「口に入れ」、「噛んで」、「のみ込む」までの動作からなる。この過程は、舌の運動により食べ物を口腔から咽頭に送る口腔期、嚥下反射により食べ物を食道に送る咽頭期、食道のぜん動運動により胃まで運ぶ食道期に分けられる。嚥下には多くの器官が関わっており、これらに障害が生じると嚥下障害が起こる。その発生機序には、咽頭・喉頭の機械的狭窄によるものと、胃まで食べ物を送る神経・筋肉の障害の二つがある。
嚥下障害の症状としては、嚥下困難や、食事の時のむせ(誤嚥)が現れる。固いもの、固形物と水物の混合したものなどはのみ込み辛くなり、食事に時間を...