単元の目標
地球が、他の天体と著しく違う点として液体状の水の存在が第一に挙げられる。生物圏の定義が「液体状の水の存在と外部からの十分なエネルギー供給」とされるように、水と生命は不可分であり、水の循環は生命の存在を支配している。地球上の水の総量は,約14億 km3と推定されている。このうち海水が97%以上で、淡水は3%にも満たない。
その海はこれまであらゆる廃棄物の最終処分先と考えられてきた。沖合に放流した屎尿でさえ、大腸菌群が海岸へ再拡散することによってレクリエーションに悪影響を及ぼすとみられているが、なお一部の科学者は放射性廃棄物の海洋処分を推奨しているのが現状である。
環境の三大要素は水、大気,土壌(土地)であり、環境として必要な生活基盤、物質輸送、物質代謝の3機能によって特徴づけられる。なかでも水は三つの機能をすべて備えており、大気・土壌中の物質もいずれは水系に集められて海に流入する。これらの物質のうち栄養物は海域、とくに大陸棚の自然生産に役だち、大きな物質循環系を構成しており、また海の塩分濃度も徐々に上昇するが、太陽熱による蒸発作用により海は淡水の生産源ともなっている。後者の淡水生産機能は永続可能であるのに対し、流入物質の過剰による過栄養状態(富栄養化)や有害物の放流は海の生態系の破壊につながり、いったん破壊された場合その回復は容易ではない。もちろん、河川汚濁や湖沼汚濁もそれぞれの水域における生態系の破壊を伴うものであるが、前述のようにそれらの汚染が最終的には海洋汚染として集約されるのである。したがって、非常に複雑な海洋生態系の破壊限度の科学的究明よりも、海中へ物質が流入するまでの河川・湖沼の自然浄化機能を重視し、その水系への汚染流出を抑制することが必要となる。
授業案
単元の目標
地球が、他の天体と著しく違う点として液体状の水の存在が第一に挙げられる。生物圏の定義が「液体状の水の存在と外部からの十分なエネルギー供給」とされるように、水と生命は不可分であり、水の循環は生命の存在を支配している。地球上の水の総量は,約14億 km3と推定されている。このうち海水が97%以上で、淡水は3%にも満たない。
その海はこれまであらゆる廃棄物の最終処分先と考えられてきた。沖合に放流した屎尿でさえ、大腸菌群が海岸へ再拡散することによってレクリエーションに悪影響を及ぼすとみられているが、なお一部の科学者は放射性廃棄物の海洋処分を推奨しているのが現状である。
環境の三大要素は水、大気,土壌(土地)であり、環境として必要な生活基盤、物質輸送、物質代謝の3機能によって特徴づけられる。なかでも水は三つの機能をすべて備えており、大気・土壌中の物質もいずれは水系に集められて海に流入する。これらの物質のうち栄養物は海域、とくに大陸棚の自然生産に役だち、大きな物質循環系を構成しており、また海の塩分濃度も徐々に上昇するが、太陽熱による蒸発作用により海は淡水の生産源ともなって...