ある文献・資料を配列、編成するとき、二通りの目録規則が存在する。一つは、一つ一つの資料に対してそのタイトルや内容、形状を初めとする書誌的事項などを、その資料に対する明確なイメージが得られるように詳細に、かつ適切に表現する方法である。これは対象の資料を他の資料と明確に区別することが主な目的となるため、その資料についての特徴を完全にとらえていなければならない。またこの方法では、識別対象となる資料が個々の図書館に“ない”場合、その図書館で所蔵している領域を超えた範囲での探索・識別にも有用であるように特徴を表す必要がある。つまり、所蔵している資料としていない資料とを識別する場合に役立つと考えられる表記をこそ準備する必要があるのだ。
もう一つは、それらの特徴を表現した情報をひとまとめにし、ある見出し語を与えてそれによって管理するというものである。このやり方では、対象となる記述が一定の範囲内に収まっていることが前提となる。そのため、対象は個々の図書館が所蔵する文献・資料のみに限定されることとなる。
もともと目録法の対象は個々の図書館が所蔵している文献・資料であり、目録規則も各図書館ごとに設定・管理されるのが通例であった。個々の図書館が、それぞれの利用者のみを対象にしてサービスを行っている段階では規則の統一などは問題とされない。目録規則の標準化が論議されるようになるきっかけは、大規模で、かつ整理の行き届いた図書館の目録規則をその他の図書館がまねたり、図書館同士の連携が深まり、文献・資料の相互利用が始まったり、
資料組織概説 目録について
ある文献・資料を配列、編成するとき、二通りの目録規則が存在する。一つは、一つ一つの資料に対してそのタイトルや内容、形状を初めとする書誌的事項などを、その資料に対する明確なイメージが得られるように詳細に、かつ適切に表現する方法である。これは対象の資料を他の資料と明確に区別することが主な目的となるため、その資料についての特徴を完全にとらえていなければならない。またこの方法では、識別対象となる資料が個々の図書館に“ない”場合、その図書館で所蔵している領域を超えた範囲での探索・識別にも有用であるように特徴を表す必要がある。つまり、所蔵している資料としていない資料とを識別する場合に役立つと考えられる表記をこそ準備する必要があるのだ。
もう一つは、それらの特徴を表現した情報をひとまとめにし、ある見出し語を与えてそれによって管理するというものである。このやり方では、対象となる記述が一定の範囲内に収まっていることが前提となる。そのため、対象は個々の図書館が所蔵する文献・資料のみに限定されることとなる。
もともと目録法の対象は個々の図書館が所蔵している文献・資料であり、目録規...