1.向社会的行動とは、親切行動、援助行動、奉仕活動など、対人的なつながりをもとめたり、他の人や集団のためになることをしようとする行動である。今日、生徒の孤立化、いじめ、都市生活における近隣関係の欠如や摩擦、障がい者への支援・福祉などがおおきな社会問題となっている。このような状況のなかで、子どもの向社会的行動の発達への理解をもつことは大きな意味がある。
2.最近では、パーソナリティの発達が、個人の持つ自己概念と密接な関連を持つと考えられている。個人が自己についてどのようなイメージないし概念をつくりあげているか、自己をどのように価値付けているかが、個人の行動特徴や態度、価値観などを決定する中核となっているという。ここでは、子どもが自己を発見し、事故の意識を明確にし、自己概念を拡大、変容していく過程を理解する。
458児童心理学 4単位目レポート
<レポート課題>
向社会的行動とその発達に関わる要因について述べなさい。
自己概念の形成過程について述べなさい。
<講評>
どちらも要点をおさえ、よくまとめられています。
1 向社会的行動とは、外的報酬を期待することなく、他人やほかの集団を助けようとし、それらの人々のためになることをすることをいう。向社会的行動の内容には、人に道を教えるといった親切行動、老人に席を譲る等の援助行動、金銭を寄付する等の奉仕活動などが含まれている。
この向社会的行動をおこすには、3つの段階がある。それは、他者の要求や気持ちを感じ取り(気づき)、自分のとるべき行動を判断し(意思決定)、実行する必要がある(実行)。また、気づきと意思決定の間に、向社会的な判断、共感、役割取得の3種類の媒介要因が関与する。
向社会的判断とは、自分に向社会的な行動が求められているかどうか、どのように行動すればよいかを決定することである。共感とは、他者の情緒的反応を認知し、その情緒的状態を共有することである。両者とも、年齢とともに発達をしていくことがわかっているが、各家庭でのしつけや教育の...