日本大学通信教育部「教育の方法・技術論」の報告課題です。合格ラインとしての判断材料にいかがでしょうか。参考になれば幸いです。
授業形態は、一斉学習、小集団学習、個別学習の三形態に分類することができる。近代公教育は、その中でも一斉学習の特徴に注目し、この授業形態を学校教育の中心に置いている。そのため、今日では同一年齢の子どもたちを学級として編成するのが主流である。しかし近年、一斉学習の持つ欠点を克服する必要から、授業形態の多様化が進んでいる。
授業が学級というまとまりに対して一斉に行われるようになったのは、19世紀に入ってからだといわれている。それまでは一室に多くの子どもたちが集められていたとしても、学級という共に学ぶ集団を構成していたわけではなく、雑然と群居していたにすぎなかった。日本における寺子屋を例にとっても、子どもたちは教材を共有しておらず、学習も共同して行ってはいなかった。ヨーロッパでは、古代から中世、そしてルネサンス期にかけてこのような学習集団が構成されていた。
その後、17世紀にコメニウスによって学習内容を共有する学級へと変化するきっかけが起こった。彼は、学級による一斉学習の有用性を主張し、またそれまでの知識注入主義・体罰主義等の教育を否定した。19世紀初期になると、ベルとランカスターがほぼ同時期...