第一次大戦にいたる国際関係の推移について
第一次世界大戦にいたる国際関係の推移
第一次世界大戦は1914年、当時ヨーロッパの火薬庫とよばれたバルカン半島での民族紛争により、オーストリアの皇太子がサラエボでセルビア人青年に暗殺されるというサラエボ事件がきっかけで起こったと習った。ドイツを中心とするオーストリアなどの同盟国と、フランス、イギリス、ロシアなどの連合国との戦いでおよそ5年にも及んだ末に連合国が勝利した。日本も日英同盟を受けて中国でドイツ軍と交戦した。
社会の教科書では、だいたいこのような内容になっている。何かひとつの事件をきっかけに戦争や革命が起こったかのように記述され、歴史という流れや多方面からの視点や原因分析が薄いように思われる。たしかにサラエボ事件が開戦の引き金にはなった。しかし、それだけが世界大戦の最も重要な原因ではない。そこに至るまでの各国の事情や国家間の関係、文化や歴史まで考えていかなければならない。特にこの大戦においては「ヨーロッパの火薬庫」であるバルカン半島での民族関係が重要となる。
バルカン半島は旧ユーゴスラビア、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャそしてトルコの一部を指している。歴史的にバルカン半...