読書感想文 太宰治「人間失格」@

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    「人間失格」を読んで
    「人間失格」を読むのはもう10回めくらいになります。初めて読んだのは、確か高校一年生くらいの時です。こ
    の作品の陰鬱な雰囲気に不快感を感じながらも、不思議と引き込まれて言ったのを覚えています。今、読み返し
    てみてもやはりその感覚はかわりません。しかし、この作品は、我々が普段ひた隠しにしている人間本来の弱さ、
    負の側面を赤裸々に表現していると思います。私が、この作品を読んで不快感を感じるのも、この作品を読むこと
    によってそのような面を否応なしに自覚してしまうからだと思います。そして、人間の本来的な弱さは、いつの時代
    も変わることがないので、「人間失格」は今でも多くの人に読まれているのだと思います。
    「人間失格」は「葉蔵」という人物の手記で語られていますが、彼が薬物中毒であったこと、自殺未遂を犯して
    いること、妻が他の男性と交わっていることなどの共通点を考えると、太宰治自身の自伝として読むのが適切だ
    と思います。彼は、人間の生活というものが、見当つかなく、子供の頃から、自分の家族の者たちに対してさえ、彼
    等がどんなに苦しく、またどんな事を考えて生きているのか理解できず...

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