1.制度・政策としての社会福祉と実践としての社会福祉
社会福祉には,「制度・政策として」の側面と「方法論・実践とし
て」の側面がある。
「制度・政策として」の社会福祉は,憲法第25条に規定されている
「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するために,国の
責任において-碇の社会福祉サービスを提供する。
一方,「方法論・実践として」の祉会福祉は,福祉サービスを人びと
が有効に受けられるように援助する。また,生活上のさまざまな間題に
ついて,制度に規定されていないものについての相談援助も重要な要素
である。サービスの利用者にとりて布効なサービス活用に重点をおく,
塞践としての相談援助や生活支援活動を「ソーシャルワーク実践」という。
2.精神障警者福祉における制度・政策と実践
まず,精神保健福祉の近年の動向を概観し,制度・政策の問題につい
て考えたい。
長い間,精神障害者は医療の対象とされ,入院中心の隔離政策がとら
れてきたため,精神障害者の福祉についてはみるべき施策がなかった。
1987(昭和62)年,精神障害者の入楕と社会復精を柱とする...