動詞・形容詞・形容動詞の共通点は、いずれも単独で述語となることができるもので、語形に活用があるという点である。また、事物の動作・存在・性質・状態など叙述するものでもあり、この三つを総称して用言と呼ぶ。
ではこの三つの品詞の相違点は何であろうか。それぞれの品詞の特徴を踏まえながら述べてみたい。
まず、この三つの品詞の中で古来より圧倒的に語数の多いのが動詞である。さらに現在、五段活用、上一段活用、下一段活用、カ行変格活用、サ行変格活用と言った、最も多様な活用を持つ。また、「疲れる」「出会う」などといった一部の無意識動詞を除き、形容詞・形容動詞にはない命令形もある。頻度としては連用形の形が最も使われている。終止形は「ウ」である。
一方、形容詞の語数は少なく、時が経っても増えることはあまりなかった。その代りに「ツルツル」「ガタガタ」といった擬態語が増えていった。活用の種類も少なく、現在ク活用・シク活用の二種類となる。終止形は「イ」である。
形容動詞の特徴に関して述べる前に、他の語と共に一文節をなす時の動詞と形容詞の相違点について、具体例をいくつか挙げながら説明してみたい。
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