論証:「著しく不公正な方法」の意義

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    資料の原本内容

    論証:「著しく不公正な方法」の判断基準
    前提 株式の発行又は自己株式の処分が「著しく不公正な方法」により行われ、それにより株主が不利益を受けるおそれのある場合、株主は、当該株式の発行又は自己株式の処分をやめるよう、会社に請求できる(210条2号)。 問題提起 では、いかなる場合に、「著しく不公正な方法」といえるか。 反対説 この点、会社に現実に資金調達の必要があって募集株式の発行等が行われる場合には、原則として「著しく不公正な方法」とはいえないとする見解がある。 批判 しかし、休眠会社でもないかぎり、会社には資金需要が大なり小なり存在するのであるから、資金調達の目的が全くない場合というのは想定しがたい。 自説 そこで、資金調達の目的であっても、その主要な目的が会社の支配権を強化・維持することにある場合には、原則として、「著しく不公正な方法」にあたると考える(主要目的ルール)。 例外 もっとも、会社の支配権の維持・確保を主要な目的とする株式発行等が許されないのは、取締役は会社の所有者たる株主の信認に基礎を置くものであるから、株主全体の利益の保護という観点から株式発行等を正当化する特段の事情がある場合には、例外的に、不公正発行に該当しないというべきである。
    すなわち、株式の敵対的買収者が、いわゆるグリーンメイラーのように、当該会社を食い物にしようとしている場合には、特段の事情があるというべきである。

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