人間の成長過程におけるそれぞれの発達課題について述べよ
人間の成長過程において乳幼児期から青年期までの子供の時代にどのように育てられたか、どういう環境にあったのかは、その人のその後の一生を左右する重要な要素となる。
まず、その人間の発達を左右する要因は、内的要因(遺伝)と外的要因(環境)の二つの要因が挙げられる。前者が絶対であると考えると教育不能論となり、反対に後者が絶対であると考えると教育万能論となる。この両極端の主張はそれぞれ主流ではなく、人間の発達には上記二つの要因の相互作用であると一般には考えられている。
さて、発達課題という概念は、アメリカの教育学者ハヴィーガーストによって、体系化された概念である。
彼は、人間の生涯の各時期において達成されるべき課題があると考えた。それらの課題の達成に失敗することは、個人的に不幸なばかりか、社会的にも認められず、その後の課題の達成も困難になってくるという。それらの課題を彼は発達課題と呼んだ。この発達課題は、3つの要素によって規定されている。 ① 身体的な成熟という生物学的条件。 ② 文化的な価値観の体系や社会的な要求から生じる文化的条件。した...