教育現場で問題視されているいわゆるモンスターペアレントについての現状、教育現場の対応、政策への評価・提言。
社会政策Ⅰ
教育現場の課題:モンスターペアレントへの対応
1.はじめに
モンスターペアレントとは、学校や幼稚園に対して無理難題な用件や、自分勝手な要求を教育現場に持ち込む保護者のことである。辞書をひいて出てくる単語ではなく、ここ2~3年の間に普及し始めた和製英語であり、彼らに対しての教育者側の対応にも世間は賛否両論で、新たな教育問題として取り上げられている。毎日新聞の記事による彼らの具体的な行動例で言うと、不登校の子が家でストーブをけり倒したので不登校にさせた学校が弁償してほしい、いじめに遭う我が子を転校させるので通学の交通費を出してほしい、遠足の写真の中央に自分の子供が写っていない、休んだ分の給食費を返してほしいなど、常識を超えた要求やクレームを教育現場にぶつけている。こうした保護者が一人でも出現すると、教職員はその対応に膨大な時間を奪われてしまう。その結果、他の児童・生徒のために使う時間がなくなり、場合によっては学校全体に悪影響が広まっている。適切な対処がなされれば、お互い落ち着いて解決するのだが、対応に不満が残ると訴訟を起こしたり、対応する職員が体力的にも精神的にも追い詰められ...