新生児によくみられる所見とその反応
・産瘤…分娩児に胎児の先進部が産道によって強く圧迫されて鬱血状態になり骨膜と皮膚の間に滲出液が貯留して浮腫状に形成された腫瘤。
出生直後より腫瘤を触知するが、境界が不明瞭で緊張性もなく波動は触れない。皮下の浮腫であり泉門・骨縫合を越えて拡がる。
第一胎向では右頭頂骨の後部、第二胎向では左頭頂骨の後部を中心に発生する。生後2~3日で自然に消滅する。
・頭血腫…産道を通過する際に児頭が受ける外力によって頭蓋骨の骨膜が一部頭蓋骨より剥離し、血管が断裂・出血して血腫となったもの。
骨膜下血腫であるため、骨縫合を越えることはない。生後1~2日してから目立つようになることが多い。
波動を触れる緊張性の腫瘤である。
→頭蓋内出血の合併症を念頭において、姿勢や反射、バイタルサイン、大泉門の緊張、哺乳力などの観察を行う。また、頭血腫の形状を測定し、増大の有無を観察する。通常、血腫は小さなものであれば自然に吸収されて生後1~3か月で治癒する。大きいものであれば数カ月以上かかることはあるが、必ず最終的には吸収されるため、放置しても特に問題はない。...