■高橋財政(犬養内閣)
高橋財政が軍事費に偏重し、現在で言う公共事業である時局匡救事業にかけた金は同時期に米政府がニューディール政策において投下した公共事業費に比べれば規模的には当然のことながら、割合的にも格段に小さい。また政府による数々の弾圧法規や企業による自社への忠誠の徹底などで民衆は政治的自由を失い、さらに日銀引受公債発行を円滑に進める為の低金利誘導が行われる中での高橋財政後期に徐々に芽を見せ始めた悪性インフレは、民衆の懐に大きなダメージを与えたと考えられる。よって、高橋財政も結果的には強者のための経済政策であったと結論づけることが出来よう。
2本柱
・金輸出再禁止
以後、日銀が政府の監督のもと不換紙幣を発行するという管理通貨制度に移行していく。
・ケインズ的有効需要創出政策
変動相場制の下で国内均衡を優先した積極的財政金融政策
政府が企業や農業部門に、満州事変に伴う軍事的、および恐慌脱出のための
救済的支払いを行うための赤字公債を大量に発行。
ケインズ政策の先取りといわれる高橋是清大蔵大臣の財政政策の特徴は、