福祉サービスの利用手続きの特性のひとつに「申請主義」があり、これは当事者の申請によってサービスが開始されることを指す。生活保護の制度にも申請主義が適用されており、これを特に申請保護と呼ぶ。申請保護は生活保護法の原則のひとつで、同法第7条において、生活保護は要保護者やその扶養義務者、同居の親族による申請に基づき開始することが定められている。これは同法第2条に規定されている通り全ての国民が保護請求権を有し、その申請により保護を受けることができることの裏返しでもある。すなわち現行の生活保護法では法律の上で保護を請求する権利を国民に付与しており、保護の開始をこの請求権の行使により行わせることが妥当との...