解剖見学から学んだこと
「解剖見学」と聞いて初めは、好奇心というよりも恐怖感が強く、献体されたご遺体を直視できるか不安でした。正直に言うと実習室に入ってからご遺体を包む被いを取る瞬間までご遺体としっかり向き合える自信がありませんでした。しかし実際に献体されたご遺体と向き合ってみると、それまでの不安は一瞬にして好奇心へと変わっていました。今までは平面図でしか見たことのない人体の仕組みでしたが、立体で見る臓器の大きさや位置関係、動脈や静脈、神経の太さや感触などは想像していたものとは遥かに違っていました。肝臓の立体的な形や、膜に包まれている心臓、心室壁の左右差、そら...