読書ノート30

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    そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります 2010年4月5日 川上未映子 犬でも人間でも、怒ってるときというのは、自分が正しいと思っているときに限られる、というのをどこかで読んだことがあって、そうですね。昨夜観た映画の中でも皆が伊藤に怒っていた。「怒れる」というのは自分が絶対に正しいと思い込んでる証拠なのだからして、そんな習慣の絶え間なく爆裂してゆく世間の狭間でこそ、可可と笑える人間に成れればこの世はどれほど自分にとって有効利用出来る場であるか、往来の癇癪もちの私には想像もつかない。
    なんらかの神がいる、でもってその存在を信じている、つまりなんらかの宗教に属してる人を、無心論者の人は笑う傾向にあり否定する傾向にあるけれども「神がある」「神はいない」と主張する点において両者はまったく同じであるわけであってつまりどちらも「ある」「ない」、どちらかを「信仰してる」ということで大丈夫なのかしら。
    人は論理に則って思考するとき、論理を「信仰」してはいないだろうかしら。1+1=2を「信仰」してはいないだろうかしら。人々が「私」と発語するとき、その無反省さの根拠はどこにあるのかしら。「私は私である...

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