有名国立大生の学部レポート。
STS・社会学の観点から、タルコフスキーの惑星ソラリスを考える。
惑星ソラリスを観て
ロシア文化特殊講義
池の水藻がゆれる映像で魂をつかまれる。言葉でなく、映像と音、色で語りかけてくる映画だ。 惑星ソラリスの海は、人の記憶を有機的物体に変える。映像に現れる水のゆらめき、緑の木々、失ったものや手が届かなくなったものへの憧憬は色褪せることはなく、美しい記憶という形で残る。そしてその記憶は遠い地球のものであるために、主人公にはそれが苦しく、せつない。
そして、ソラリスと彼の潜在意識によって、存在しえないはずの彼の妻が現れる。その人間に近い有機体は涙を流し、心を持ち、生成物が違う以外人間と変わらない。他の研究者達は、それは人間でない、物だと言い捨てるが主人公の...