情報社会と現代人のあり方について
「情報社会の諸相」をまとめた上で、「新たなメディアの形態」を加え、その中で、現代の「人間の対応」を見ていく。
情報社会の諸相
たんにハードな情報機器が増えたとか、便利になったというレベルの話ではなく、私たちの生活の営み方、モノに対する感受性、社会的ネットワークの結び方といった社会生活を支える文化面での変容を見ていきたい。そのため4つの面からアプローチしていく。
遊戯化現象と情報化
遊びと情報化は一見まったく無関係にみえる。ところが、たとえば社会のなかに電子機器や情報メディアが取り込まれてくる過程や、人間の情報メディアとのコミュニケーションをみると、この「遊び」という要素、あるいはゲーム感覚といった要素がたいへん重要な役割を果たしていることがわかる。両者の親和性は高い。遊びには物質的価値観や効率重視の価値観に対して、質や原理の異なる対抗的な世界を発掘したいという願いが込められている。また、遊びは自発的な活動、喜びと楽しみの源泉なのであって、参加を強要されたと感じさせるような遊びは遊びではない。これは情報化の参加型ネットワーク、横型ネットワークと...