「算数教育における学習指導要領変遷の概略について述べよ。」
学習指導要領は、学校教育法の目的を達成するために、昭和22年に公布されたものである。そこには各教科の目標や指導内容が明確に示されており、日本の教育課程の指導基準となっている。しかし、この学習指導要領が公布されるまでには、明治5年の学制頒布発足から、明治、大正、昭和初期と幾度も改革があった。
算数教育において、明治33年の小学校令改正に伴い、教授要旨が示された。教授要旨には教科の目標と内容が記され、算数科では日常の計算ができ、思考力を精確にすることが求められた。その後、明治40年には「黒表紙教科書」が、昭和10年には数理思想の開発を重視した「緑表紙教科書」が発行され、昭和16年に国民学校令とともに「青表紙教科書」と続いた。昭和20年終戦後、学習指導要領へと繋がった。
1 昭和22年、26年の学習指導要領における算数科の目的と特色
昭和22年3月の教育基本法及び学校教育法の公布を受け、教育課程の基準となる、学習指導要領一般編が文部省より刊行された。算数科の学習指導要領は同年5月に発行され、その目的は、「小学校における算数科...