動産取引の諸問題(種類債務の特定、危険負担、解除と損害賠償の予定、瑕疵担保責任)
参考判例
1 最判平成9年2月25日(判時1599号66頁)
2 最判昭和36年12月15日(判時283号23頁)
1(1)売買契約と製作物供給契約
・売買契約:555条:財産権を売主が買主に移転+買主が代金を支払う約束
・請負契約:632条:請負人が注文者に仕事完成を約束+注文者が仕事の報酬を支払う約束
・製作物供給契約:非典型契約:注文者の注文に応じて自己の材料により目的物を製作供給+相手方がその報酬を支払う
本件→生産される目的物の仕様などは予め決定。たまたま在庫がなかった。
注文内容に応じ新たな設計なし
→売買契約
(2)種類債権の特定と履行不能
引渡しが不可能→目的物引渡債務は履行不能
・債務者に帰責性→債務不履行責任(415)→目的物引渡債務は損害賠償債務に転嫁
・帰責性なし→履行不能により消滅→危険負担の問題
・履行不能の状態とは?
特定物の場合:目的物が滅失したとき
不特定物の場合:特定が生じるまでは同種同等同量の別のものを交付すればよいから履行不能状態なし
本件→同種の商品が多数製...