中学生 古文基礎読解力 養成テキスト
別冊解答
古文を読み解く力をつけるための十カ条
壱 必ず解答欄には書き込まず、古文のノートに解くこと!
弐 間違えた問題は、そのままにせず、なぜこの答えになるのか理解できるまでやり直すこと!
参 間違えたときは赤で×を付け、やり直しをして正解すれば×の上から青で○をつけること!
四 夏以降も、一ヶ月に一回は解き直すこと!
五 国語を取っていない生徒には内緒のこと!
六 夜更かしはお肌にとって大敵!十二時には寝ること!
七 よく食べ、よく学び、よく遊ぶこと!
八 私立入試は二月十日、前期は二月後半、後期は三月半ば!しっかり計画を立てて勉強すること!
九 そろそろ書くことが無くなってきた!
十 今日という日は戻ってこない!毎日を大切に過ごすこと!
氏 名
助動詞を見つけて①下の『 』に抜き出し、②【 】に終止形を答えよう!
1 言ひし人 『 し 』 【 き 】
2 食べつる時 『 つる 』 【 つ 】
3 起きければ、 『 けれ 』 【 けり 】
4 飲みたる物 『 たる 』 【 たり 】
5 泳ぎぬ。 『 ぬ 』 【 ぬ 】
6 投げぬる球 『 ぬる 』 【 ぬ 】
7 思ひつれども 『 つれ 』 【 つ 】
8 行きしかども 『 しか 』 【 き 】
9 申したり。 『 たり 』 【 たり 】
詠める。 『 る 』 【 り 】
次は助動詞に注意して下の【 】に、現代語に訳してみよう!
1 言ひし人 【 言った人 】
2 食べつる時 【 食べた時 】
3 起きけれども 【 起きたけれども 】
4 飲みたる物 【 飲んだ物 】
5 泳ぎぬ。 【 泳いだ。 】
6 投げぬる球 【 投げた球 】
7 思ひつれども 【 思ったけれども 】
8 行きしかども 【 行ったけれども 】
9 申したり。 【 申した。 】
10 詠める。 【 詠んだ。 】
次は少し長い文を現代語に訳してみよう!
1 昔泳ぎし川を懐かしく思ひき。
【 昔泳いだ川を懐かしく思った。 】
2 ある所にめうが(みょうが)のさしみありける
【 ある所にみょうがのさしみがあった。 】
3 児これをつまみ食ひける
【 子どもがこれをつまみ食いした。 】
4 土大根を毎朝二つづつ焼きて食いける人ありけり。
【 土大根を毎朝二つずつ焼いて食った人がいた。 】
5 家いみじう(とても)貧しくて、けふの食べ物絶えぬ。
【 家がとても貧しくて、今日の食べ物が絶えた。 】
6 我の装束をみな取り上げつ。
【 私の装束をみんな取り上げた。 】
7 東の大宮にて、かくのごとく(このように)なりつる。
【 東の大宮にて、このようになった。 】
8 扇は空へぞあがりける。
【 扇は空へ上がった。 】
9 つねに猿を弓で射れり。
【 いつも猿を弓で射った。 】
10 大猿も小猿も地にぞ落ちにける
【 大猿も小猿も地面に落ちた。 】
11 そこら(たくさん)食ひこぼしてけり。
【 たくさん食いこぼした。 】
12 この女を呼ぶと、出て来にけり。
【 この女を呼ぶと、出てきた。 】
13 昔、橘季通といふ者ありき。
【 昔、橘季通というものがいた。 】
次の文を助動詞に注意して現代語訳しなさい。
1 その巣をとらんとする。
【 その巣をとろうとする。 】
2 大事(仏道に入り悟りを開くこと)を思いたたん人
【 仏道に入り悟りを開くことを思い立つ人 】
3 いざ(さぁ)、行かん!
【 さぁ、行こう! 】
4 少納言、香炉峰の雪いかなら(どのよう)ん。
【 少納言、香炉峰の雪はどのようだろう。 】
5 雨降らん。
【 雨が降るだろう。 】
6 我を知らん人
【 私を知る(知っている)人 】
7 (友達に向かって)今宵(今夜)あはむ。
【 今夜あおう。 】
8 いとをかしげなる(かわいい)猫なり。飼はむ。
【 とてもかわいい猫だ。飼おう。 】
9 宇津の山にいたりて、我が入らんとする道はいと細く暗き。
【宇津の山について、私が入ろうとする道はとても細くて暗い。】
10 めづらかにあはれなる(趣深い)ことなり。大納言に申さむ。
【珍しく、趣深いことだ。大納言に申し上げよう。 】
11 春まで命あるなら、我必ず来む。
【 春まで命があるなら、私は必ず来よう。 】
12 がに、にならびなきをとらせんとひけり。
【鼠が娘に、天下に並びのない婿をとらせようと思った。 】
13 桜の枝をとりてをらんとす。
【 桜の枝を取って折ろうとする。 】
14 それならば俺は、なほ(もっと)食はん。
【 それならば俺は、もっと食おう。 】
15 ひだるさ(空腹)を食ふて忘れむ。
【 空腹を食って忘れよう。 】
次の文から打ち消しの助動詞を抜き出して、【 】に書き抜こう!
1 日の出て入る所は見ゆるが、洛陽はまだ見ず。 【 ず 】
2 郡司の言葉に違はず。 【 ず 】
3 見えざりし物 【 ざり 】
4 思ひがけぬこと 【 ぬ 】
5 その罪、軽からぬことだ。 【 ぬ 】
6 達人は危ふき事はせぬものだ。 【 ぬ 】
7 民の嘆き浅からじ。 【 じ 】
8 唐(中国)の物は、薬の他は、なくとも事欠くまじ。 【 まじ 】
9 唐土船のたやすからぬ道に、 【 ぬ 】
得がたき宝を貴まずとも、 【 ず 】
次は現代語訳してみよう!
1 日の出て入る所は見ゆるが、洛陽はまだ見ず。
【日(太陽)が出てはいるところは見えるが、洛陽はまだ見ない。 】
2 見えざりし物
【 見えなかったもの。 】
3 民の嘆き浅からじ。
【 民の嘆きは浅くないだろう。 】
4 憂き(つらい)ことはあらじ。
【 つらいことはないだろう。 】
5 思はぬ幸運に出会ひけり。
【 思わない幸運に出会った。 】
6 夏は来ぬ。
【 夏は来た。 】
7 年頃思ひつること果たしぬと言いけり。
【 長年思っていたことを果たしたと言った。 】
8 花咲きぬ。
【 花が咲いた。 】
9 食べぬ物
【 食べないもの。 】
10 殿より預かりし鶴を逃がしぬと申しぬ。
【 殿より預かった鶴を逃がしたと申した。 】
助動詞に注意して訳してみよう!
1 思はぬ幸運に出会ひけり。
【 思わない幸運に出会った。 】
2 橘の花が、いと白く咲けり。
【 橘の花が、とても白く咲いている(咲いた)。 】
3 亡き人の書きたる物見るは、いとあはれに思はれる。
【亡くなった人が書いた物を見るのは、とても趣深く思われる。 】
4 小猿は、母猿につきて離れじとしけり。
【 小猿は、母猿について離れないでいようとした。 】
5 射殺さん事は無残なり。
【 射殺すことは無残である。 】
6 鳥も殺さず、魚も殺さじと思ふ。
【 鳥も殺さないで、魚も殺さないでおこうと思う。 】
7 月ばかり(月ほど)面白きものはあらじ。
【 月ほど面白いものはないだろう。 】
8 よろづのことは、月見るにこそ、慰むものなれ。
【 ほとんどのことは、月を見ると慰められるものだ。 】
9 みちのくの中でも、このあたりは雪おほく降る国なり。
【 みちのくの中でも、このあたりは雪が多く降る国である。 】
10 駿河なる宇津の山に行きけり。
【 駿河にある宇津の山に行った。 】
11 大坂なる堺。
【 大坂にある堺。 】
12 森の中いと物騒がしく、何ならんと見けり。
【 森の中がとても物騒がしく、何であるだろうと見た。 】
13 世にひろくせまほしき(ひろめていきたい)わざなり。
【 世に広めて行きたい技である。 】
14 物学ぶ人にはあるまじき(あってはならない)ことなり。
【 物を学ぶ人には有ってはならないことである。 】
15 太郎入道といふもの、男(出家していない男)なる時、つねに猿を射けり。
【太郎入道と言うものが出家していない男である時、いつも猿を射った。】
「ば」を訳せるようになろう!
1 雪降らば、いとつれづれなり(退屈だ)。
【 雪が降ったら、とても退屈だ。 】
2 吉野がり(吉野の方へ)行けば、雪降りけり。
【 吉野の方へ行くと、雪が降っていた。 】
3 人の行き通はん所ならざりければ、憂し(つらい)とぞ思ひける。
【 人が行きかう所ではなかったので、つらいと思った。 】
4 後ろ見れば率て来し(連れてきた)女もなし。
【 後ろを見ると連れてきた女もいない。 】
5 富士の山を見れば、五月のつごもりに、雪いと白う降れり。
【 富士山を見ると、五月のつごもりに、雪がとても白く降っている。 】
6 音もせねば、寝入りたりとぞ思ひける。
【 音もしないので。寝入っている(寝入った)と思った。 】
7 五日、風波止まねば、おなじところにあり。
【 五日、風波止まないので、同じところにいる。 】
8 十六日、風波止まねば、おなじ所に泊まれり。
【 十六日、風波止まないので、同じ所に泊まった。 】
9 風吹きなば、花も散らん。
【 風が吹いたら、花も散るだろう。 】
10 京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。
【 京には見えない鳥であるので、みんな見知らない。 】
1 人のけはひのしければ、「あれは誰ぞ」と問ひけり。
【 人のけはいがしたので、「あれは誰だ」と質問した。 】
2 顔見れば、眉の間に、二寸ばかり傷あり。
【 顔を見ると、眉の間に、二寸ほど傷がある。 】
3 汝(あなたが)鹿に代りて殺されなば、かの(あの)鹿は助からん。
【 あなたが鹿に代わって殺されたら、あの鹿は助かるだろう。 】
4 この女を呼びければ、出で来にけり。
【 この女を呼んだので、出てきた。 】
5...