上腕骨外科頸骨折

閲覧数4,299
ダウンロード数9
履歴確認

    • ページ数 : 1ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    タグ

    資料の原本内容

    平成22年4月19日

    高森俊恵

    上腕骨外科頸骨折について

    内転位・外転位で肘をついて転倒し、側方から直達外力を受けた時に生じやすい。結節部・脱臼の合併することがある。学童の場合は、骨端線離開の形になるので注意!!

    【外転型】
    肩が外転した状態(腋が開いた状態)で手をついた場合です。
    近位骨片・遠位骨片とも骨折端が内方を向きます。(上腕軸は外転)
    転位は、前内方凸変形(肩関節脱臼の烏口下脱臼と類似)
    ☆遠位骨片の骨折部に作用する筋肉☆

    内旋・内転:

    大結節稜に付く筋肉 (大胸筋)
    小結節稜に付く筋肉(広背筋・大円筋)

    短縮 :

    上腕三頭筋・上腕二頭筋・烏口腕筋・三角筋

    【内転型】
    肩が内転した状態(腋が閉じた状態)で手をついた場合です。
    近位骨片・遠位骨片とも骨折端が外方を向きます。(上腕軸は内転)
    転位は、前外方凸変形
    【治療】

    受傷年齢やNeerの分類により異なる。

    ・安定型…骨頭へ末梢骨片が陥入している。 hanging castを用いるが高齢者には行わない。

    学童の場合、zero positionで整復し、癒合が進み安定するまでその位置で牽引を続ける。

     zero position…上腕骨軸と肩甲棘軸が一直線になる155°の挙上位のこと

    ・不安定型…整復し経皮的鋼線固定を行う。また、観血的整復固定を行う。

    【予後・後遺症】

    外科頸部の血行がいい事から阻血性壊死は起こらない。骨融合は良好で早期リハビリが行える。変形治癒を起こしても機能障害は比較的軽度。 可動域制限は、腋か神経麻痺や腱板断裂の合併症が関係する。

    後遺症として、肩関節拘縮が問題。肩関節の可動域障害は日常生活に支障がでる。予防の為、早期から振子運動などの運動療法を行う。

    〈参考文献〉

    監修国分正一、鳥巣岳彦:標準整形外科学、第10版2刷、医学書院 2008年

    監修高橋正明:STEP整形外科学 第2版3刷 海馬書房 2008年

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。