『ソーントン・ワイルダー作『わが町』の主題について述べよ。』
ワイルダーの主題として、まずは彼の劇に対する基本的な4つの条件について、①演劇は多くの協力者の協同作業に基づく芸術であると述べている。ここで、作家だけではなく、演出家や俳優など、協同して1つの劇を創造していくのである。②演劇は集団の心に語りかけるものであると述べている。不特定多数の観客に訴えかけるためには、作者自身だけの世界であっても成功せず、多くの人々に受け入れられることで初めて意味をなすと言う。③演劇は、見せかけに基づき、演劇そのものの性質からいっても多くの見せかけを要求する、と言っている。
先ほどの、大勢に理解されるための見せかけが非常に大切であるとのことで、ワイルダーは、わが町の作品において、子の見せかけに非常にこだわることで、写実的な作品もすごく自由に感じることができた。見せかけを少なくすることで、観客の想像力を高め、各人の思うような情景を思い描くことになる。しかも、ワイルダーはそうした見せかけによっても、自由な発想を連想するように作ってあることが非常に優れていると覆う。④演劇の行動はたえざる現在のうちに生起する...