『50年に及ぶ戦後の同和教育史を概括し、同和(人権)教育の意義と学校における同和(人権)教育実践のあり方を具体的に論述すること。』
同和教育においては、1950年代に学校教育の中で、多くの被差別部落からの出身の子どもたちが長期にわたり欠席したり、さらには学校に来なくなったりするという事態を受けて、そうした問題をいかに解消すべきかという点を出発点として取り組みが始まっていった。
その中で、差別の現実と向き合い、そこから学んでいくこと、被差別の立場にある子どもを中心とした仲間作りをすること、学校だけではなく、地域とも連携し、地域の住民と共に作っていく教育を目指すこと、また、生活の中で何が差別かということをしっかり見抜き、差別に負けない、差別を許さない子どもにすること、また足でかせぐ同和教育など、現在に至るまで、多くの教育に従事する人々により、取組みが進められてきた。
そこで、同和教育は子どもだけの問題ではなく、保護者や地域、さらには社会も一体となって進めていかなければならないものして現在定着している。その結果、教科書無償制度の実現や統一応募用紙の作成や身元調査や就食差別をなくすための...