『「四つの四重奏曲」について、あるテーマを選んで論述せよ。内容にふさわしいタイトルを付すこと。』
『四つの四重奏曲』についてのこのレポートでは、「エリオットのアメリカ性とイギリス性」ということをタイトルとして論じていきたい。
この作品は一篇ずつが独立して作られており、四つの篇から構成されている。その中でも、三番目の篇である『ザ・ドライ・サルヴェイジズ』の作品から、エリオットのアメリカ性を論じていく。
エリオットのアメリカ性については、彼がアメリカ生まれであり、幼少時代をセントルイスで過ごしたことによるその時の記憶が、のちの彼の作品に出てきている。それは、帰化・改宗した後の作品でもそうであったし、後年の回想においてもセントルイスの情景、ミシシッピ河のことが語られている。『灰の水曜日』においてもそうであるが、エリオットの中期の作品の特徴として、色鮮やかな自然の描写があるが、幼少時代のセントルイスの自然が以降の作品にも表れている。その中でも最高峰とされる『四つの四重奏曲』の中の『ザ・ドライ・サルヴェイジズ』はまさに望郷の作品であり、エリオットのアメリカ性が最も忠実に表現されている作品で...