「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。
⇒1996年7月に出された第15期中央教育審議会第一次答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」以来、教育目的となったものが「生きる力」の育成である。そして、「生きる力」の核となる豊かな人間性を育むものが、学校教育において特に道徳教育及び道徳時間である。
では、「生きる力」とは何なのだろうか。これは、時代を超えて変わらない価値あるものを大切にするとともに、社会の変化に的確かつ迅速に対応する教育を実現するために、新しい教育目的として提示された。そして、「生きる力」とは次の三つの能力から成る。
自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力。
自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性。
たくましく生きるための健康や体力。
つまり、「生きる力」とは「全人的な力」、「人間としての実践的な力」(知・徳・体のバランスのとれた力)であり、「生きていくための「知恵」」とも言うべきものである。
昨今の「ゆとり教育」において「学力低下」論争が引き起こされた。その...