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はじめに、昨今では、発達障害の子どもが普通学級で学習する機会が多く、また障害でなくとも落ち着きや集中力がない子どもが多く教育的課題になっている。そこで、本稿では、AD/HDとは何かについて述べ、そのような子どもへの支援のあり方を検討したい。
まず、AD/HDとは、注意欠陥多動性障害という発達障害の一種である。症状は、個人差があるが、共通して集中力がなく、過剰に動き回り、注意力に欠けるとされる。そのため、学校では、授業の取り組みをやり遂げることが困難で、授業中に立ち回って突然大声を発するなどの問題行動がある。そうした一方で、計算や暗記、絵画など特定分野においては抜群の能力を発揮することがある。AD/HD児は、以上のような特徴により、いわゆる学級崩壊のきっかけになったり、落ち着いて授業を受けられないために学習遅延に至ることが問題であり、教師の配慮を要する。
原因には諸説あるが、それぞれ否定的な立場を取る専門家が多く、近年では様々な要因が重なって症状としてAD/HDが表出するという意見が中心である。諸説のうちここでは、3点を紹介する。第一の説は、従来からの説である脳の一部の抑制や自制に関する...