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今日では、一国だけで経済や政治の諸問題を完結する時代ではなく、教育においても広く世界規模の視点で考えることが求められるようになった。そこで、本稿では、国際理解教育とは何かについて述べ、小中学校での具体的取り組みの説明をしたい。
国際理解教育とは、地球規模で取り組むべき課題について、その現状について知り、考え、行動する学習である。学校教育では、主に総合学習の時間を中心に取り組み、日本だけでは解決し得ない多くの課題、例えば戦争、貧困、開発、差別、人権、環境問題などをテーマにする。
こうした国際理解教育の背景には、社会的・産業的な変化が影響している。現代では、国境を越えて人・物・財・情報が交換され、相互依存関係にあるという、いわゆるグローバル化社会である。そのため、諸課題を単一の国家規模で考えることは困難で、世界規模で物事を考えて解決する姿勢が望まれるようになった。
また、従来と比較して外国人が日本に在住することが増加し、日常に交流する機会が増加した。今では、海外からの駐在員の子女や帰国子女が日本の学校に通うことも珍しくなく、私たち日本人も自国に限った言語や知識・技術の習得だけでは、社会人と...