ユーモアは世界共通だと思っていたが、どうも違うらしい。ヨーロッパのユーモアと日本のユーモアは大分内容が異なる。具体的にどう違うのか。フランスとドイツとの比較を通じて見てみよう。
フランス人はよく政治に関するジョークを言うが、日本では政治が笑いのネタになることは少ない。政治に関するユーモアといえば、新聞に載っている、政治家を皮肉った風刺画くらいしか思い浮かばない。政治ネタが少ない理由として、最近の日本人が政治に無関心であることが挙げられる。笑いのネタとして扱われないだけでなく、ニュース番組以外のテレビ番組や日常の会話では政治の話題がほとんど出てこないのだ。「誰が当選しても同じだから」「私が一票入れたところでどうにもならないから」と選挙に行かない人が増え、投票率が50%を下回ることも少なくない。22歳になるサークルの先輩も今まで一度も選挙に行ったことはないし、これからも行かないと思うと冷めた口調で言っていた。このような「政治離れ」は若者の間だけでなく、その親や祖父母の世代でも進んでいる。私の両親も選挙には行くが結果にはあまり興味がないらしく、だれが当選したかを知っても喜びも悲しみもしない。祖父は今の総理大臣が誰かということすら知らなかった。このように政治を知らない人が多いため、政治に関するユーモアは受けないのである。もうひとつの理由は、日本人がどこかで「政治は真面目なものであって、それを笑いものにするとは不謹慎だ」と考えているところにあると思う。田中真紀子さんが外務省の内部改革をして騒がれていたころ、よくテレビで彼女の声がものまねされていたが私はそれを見ても一度も笑えなかった。うまく特徴をつかんでおり似ていたのだが、面白いと思えないのだ。政治という難しい課題に真剣に取り組んでいる人をバカにしているようで、いい気がしないのである。
「ユーモアについて」
ユーモアは世界共通だと思っていたが、どうも違うらしい。ヨーロッパのユーモアと日本のユーモアは大分内容が異なる。具体的にどう違うのか。フランスとドイツとの比較を通じて見てみよう。
フランス人はよく政治に関するジョークを言うが、日本では政治が笑いのネタになることは少ない。政治に関するユーモアといえば、新聞に載っている、政治家を皮肉った風刺画くらいしか思い浮かばない。政治ネタが少ない理由として、最近の日本人が政治に無関心であることが挙げられる。笑いのネタとして扱われないだけでなく、ニュース番組以外のテレビ番組や日常の会話では政治の話題がほとんど出てこないのだ。「誰が当選しても同じだから」「私が一票入れたところでどうにもならないから」と選挙に行かない人が増え、投票率が50%を下回ることも少なくない。22歳になるサークルの先輩も今まで一度も選挙に行ったことはないし、これからも行かないと思うと冷めた口調で言っていた。このような「政治離れ」は若者の間だけでなく、その親や祖父母の世代でも進んでいる。私の両親も選挙には行くが結果にはあまり興味がないらしく、だれが当選したかを知っ...