蘇軾の作品を読んで疑問点を1つ取り上げ、それに対する自分の考えを述べよ。
Ⅰ 蘇軾の作品を読んでの疑問点
私は漢詩に関しては全くの素人である。そんな私が、蘇軾の詩に触れてまず感じたことは、詩に憂い、暗さのようなものがあまりなく、軽快で力強い作風だという印象である。もちろん、蘇軾のある時期の作品や、蘇軾が置かれていた状況によっては、その時期の作品に哀愁のようなものを携えてはいるが、それでも最後には、前を向いていこうという姿勢を崩さない作品が多い。中でも特筆すべきは、生涯に渡り投獄、流罪などの不遇を受けながらも、その時期の作品においてさえユーモアを交え前向きな姿勢を崩していないということが挙げられる。
まず、当時の政権党であった新法党を批判した罪で獄中にあった頃の「御史臺楡槐竹柏四首」と題された作品のうち「其三 竹」を提示する。「今日南風來 吹亂庭前竹 低昂中音會 甲刄紛相觸 蕭然風霜意 可折不可辱 雪霽竹已囘 猗猗散靑玉 故山今何有 秋雨荒籬菊 此君知健否 歸掃南軒綠」この作品では獄中にありながらも、「吹亂庭前竹 低昂中音會 甲刄紛相觸」「雪霽竹已囘 猗猗散靑玉」など鮮やかな自然描写で...