王維の作品を読んで疑問点を一つ取り上げ、それに対する自分の考えを述べよ。
Ⅰ 王維の作品を読んでの疑問点
王維の作品の中に「不遇詠」と題された作品がある。王維の作品には、自分の感情を大っぴらに表現するものは多くはないが、この作品では王維の感情が爆発している。「北闕獻書寢不報 南山種田時不登 百人會中身不預 五侯門前心不能 身投河朔飲君酒 家在茂陵平安否 且此登山復臨水 莫問春風動楊柳 今人昨人多自私 我心不說君應知 濟人然後拂衣去 肯作徒爾一男兒」この作品で王維はまず、「北闕獻書寢不報 南山種田時不登 百人會中身不預」と、様々な場面で報われない自分の境遇を嘆いている。そして最後に「我心不說君應知 濟人然後拂衣去 肯作徒爾一男兒」と自分勝手な生き方をしている者が多いと不満を述べ、善政によって人民を救済した後は自分は隠居しようと述べている。
この詩から読み取れることは、題名からもわかるように、王維が自分の境遇に強い不遇感を抱いていたということである。王維は、自分は苦しむ人民のために力をつくしているのに、自分勝手な連中ばかりが評価されることに不満をいだいていた。この作品は王維の自分自身に対す...