(1,878字) ディープ・エコロジー、ソーシャル・エコロジー、エコ・フェミニズムなど、現代における環境倫理学思想について。
現代の環境思想について
このレポートを書くにあたって、まず漠然と「環境倫理学」についてインターネットで検索してみた。長々と書かれたWikipediaの記述を斜め読みしながら、ふと目に留まったのが「ディープ・エコロジー」という単語だった。これは、ノルウェーの哲学者アルネ・ネスが提唱したエコロジーの概念である。ディープ・エコロジーとは、人間中心の立場ではなく自然中心の立場で考え行動するべきという主張だが、ネスは同時に従来の環境保護活動をシャロー・エコロジーと呼んだという。自分の考え方をディープ(深い)、他の考え方をシャロー(浅い)と名付けるなんて随分思い上がった人だなあ、と思う。しかし、そこまで自信のある主張がどんなものなのか興味が湧いたので、図書館でそれらしきことが書いてありそうな本を探して読んでみることにした。
アルネ・ネスによると、シャロー・エコロジーは環境汚染や資源の枯渇に反対し、先進国の人々の健康と豊かな生活を目標としている考え方であるという。環境保護の目的は自然のためというより人間様の幸福と繁栄のためであり、人間中心主義の立場を取っている。これに対し、ディープ・エコロジー...