先進国の諸都市と我が国の都市を比較するという課題に対して、首都圏の規模という観点で先進国の諸都市と比較、分析し、そこから日本の都市の特色を述べてみたい。
日本の首都である東京は、江戸時代から実質的な首都となり、そこから現在まで約400年が経過した。太田道灌により1456年に江戸城が完成されたものの、もともと低湿地が広がった田舎であった。それが徳川家康の1590年の入府以降、代々の将軍が土地を改良し、江戸八百八町と呼ばれ、人口百万人を超える当時としても世界最大の都市圏を形成していった。その後、江戸幕府が倒れ、天皇が江戸城に入り、名実ともに首都となり東京と呼ばれるようになった。
この東京都は、現在1298万人もの人口を抱えている。ただ都市という観点で見たときには、東京都という行政単位ではなく、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)まで含めた方が良いであろう。この東京圏の人口は、約3533万人で、全国の人口の27.7%を占める。世界の都市と比較してもこれは世界一位の数字である。首都圏(東京圏、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)まで拡大すれば、平成18年10月1日現在4252万人で全国の...