来談者:広汎性発達障害の男児(初回面接時4歳)を持つ両親
診断名:広汎性発達障害
家族:両親、4歳年上の兄
経過:
①診断まで
3年保育を希望し入園。入園後まもなく、視線が合わないこと、言語がほとんどオウム返しであることを保育園から指摘され、医療機関の受診をすすめられる。就園までに発達の遅れを指摘されたことはなく、母親は保育者の指摘を認めなかったが、幼稚園側の強い勧めで医療機関を受診したところ、軽度知的発達遅滞が認められた。
発達障害児の両親に対する臨床心理的アプローチの事例
来談者:広汎性発達障害の男児(初回面接時4歳)を持つ両親
診断名:広汎性発達障害
家族:両親、4歳年上の兄
経過:
①診断まで
3年保育を希望し入園。入園後まもなく、視線が合わないこと、言語がほとんどオウム返しであることを保育園から指摘され、医療機関の受診をすすめられる。就園までに発達の遅れを指摘されたことはなく、母親は保育者の指摘を認めなかったが、幼稚園側の強い勧めで医療機関を受診したところ、軽度知的発達遅滞が認められた。とはいうものの確定診断にはいたらず医療機関からの説明が曖昧だったこともあり、母親は特に問題ないと理解した。
カウンセラーとの面談も拒んでいたが、幼稚園側からの勧めに屈する形で、入園から5ヶ月後に面談を受け入れた。しかし、医療機関で「心配ない」と言われ、発達に問題ないと理解していた母親は、幼稚園に強い不信感を抱いていた。カウンセラーは、母親の気持ちを受容しながらも、幼稚園での児童の様子を客観的に伝え、発達の遅れととらえなくても、現時点において児童には何らかの援助が必要であることを繰り返し説明した。母親は幼稚園での...