今実験の目的は、粘度計を用いた30.0℃での各濃度のエタノール水溶液の相対粘度を測定し、濃度-粘度曲線を作成すること、ポリビニルアルコールの相対粘度を測定、結果から平均重合度を求めること、未知試料の粘度を測定し、試料を特定することの三つである。
[緒言]
●粘度とは
粘度の概要
粘度計について
粘度と温度、濃度の関係
[結果と考察]
●30.0℃におけるエタノール水溶液 濃度(wt%)-粘度曲線
●30.0℃におけるエタノール水溶液 モル分率-粘度曲線
●ポリビニルアルコールの重合度解析結果
●実験値が文献値を上回ったことの原因と改善方法の考察
●ポリビニルアルコールの平均重合度が実際の値よりも大きくなったことに対する考察
●未知試料の推定
[参考文献]
[緒言]
粘度とは、流体の粘り気を表す物性である。例えば、水やアルコールに比べ、水飴や蜂蜜はドロッとしている。このことから、水飴や蜂蜜の粘度は水やアルコールに比べて大きいということが感覚的にわかる。このように、粘度は私たちの生活に身近な性質であるといえる。
流体内のある小平面の両側で液体の速度が異なる場合、動きが速いほうから遅いほうに流体分子が移ると遅い流れを速め、遅いほうから速いほうに流体分子が移ると速い流れを遅くする。流体分子は熱運動によりこの小平面を横切って移動し、互いに運動量を傍受して流体の速度を一様にする働きを持ち、このことを粘性(粘度)という1)。
図1. 平面の板の間に流れる液体の流速分布と働く力2)
細い管の中を液体が通るとき、その速さは管の中央部で最も速く、管壁に近い部分では遅い。流れの方向に1枚の板があるとすれば、板の面に図のような力Fが働くことになり、この力は速度勾配 dυ/dz (z は管壁から中央部にかけての距離) に比例する。この速度勾配は流体の性質にも関係する。このとき粘度ηについて次の式が成立する。
= η
v =
このとき、粘度ηが大きけ...