商業者の仕入れ行為は、最終的には消費者への再販売において購買を目的とするものであるから、仕入れるに値する商品は、購入者のニーズに応じた物でなければならない。そのため、どのような商品を・どこから・どれだけ・いくらで仕入れるべきかの判断基準、つまり「適正な商品を、適正な場所で、適正な時期に、適正な数量を、適正な価格で」販売しなければならない。
このように商業者は、マーケティングの基本理念である消費者志向の考えに基づいた仕入活動を、計画的に行うことが重要である。それゆえ仕入計画においては、商品の選定政策の問題、仕入政策の問題、仕入予算の設定、仕入数量と仕入時期の決定、仕入先の探索、売買契約の締結、仕入方法の決定等の点について、慎重に検討する必要がある。
品揃えの類型は一般に、①深く狭い品揃え②深く広い品揃え③浅く狭い品揃え④浅く広い品揃え、の四つに分類することができる。顧客ニーズでは②が理想的ではあるが、企業側の物理的・地域的・政策的制約を配慮しながら両者に合致する条件を計画的に設定する必要がある。
(一)対象顧客の設定
多様化された顧客のニーズに全て対応することは、効率面においても不...