厚生労働省の統計によれば2人以上の患者が発生した食中毒事故の件数は、1990年代前半の683件に対して1990年代後半には1,252件と近代大幅に増加している。2002年のある1ヶ月だけで、禁止添加物入りシュウマイ(各社)、無許可香料入り菓子・飲料(グリコ、ブルボン、JT)、無許可添加物入り津乳弁当(中国産、雪印冷凍食品)、残留農薬入りほうれん草(ニチレイ、味の素、ローソン、加ト吉、ニチロ、他) 等十指にあまる事件が報道された。件数の増加だけではなく1990年代後半には社会の注目を集めた大きな事故、例えば1996年の患者数約1万人のO-157による食中毒や、患者数約1万5千人という2000年の雪印乳業の黄色ブドウ球菌による食中毒などが発生し、さらにダイオキシンによる資料・畜産食品・水産食品の汚染、、遺伝子組換え作物の食品への混入問題、最も人々を震撼させたBSE患畜の確認など生きるための食が死と背中合わせであると思わされる事柄が多発した。ほかにも国内外を問わず産地偽造事件があいつぎ、国民の食の安全性への不安は増大した。
このような状況をふまえて国は食品の安全性確保のための関連法規の整備を進め、平成15年には内閣府に食品安全委員会が新設され、農林水産省では消費・安全局を設置する組織再編が行われた。それらの発足を手助けしたのが、1980年代にアメリカで始まったリスクアナリシスという概念である。リスクアナリシスとは将来の損失や悪影響の可能性や程度を推定し、それを防いだり計膳したりするような措置をとることをいい、リスクアセスメント、リスクマネージメント、リスクコミュニケーションからなる。つまり、リスクの程度を推定し、そのリスクを低減するような措置を利害関係者の参画のもとに決定・実施することである。
国民の食料を安全に供給するためには
厚生労働省の統計によれば2人以上の患者が発生した食中毒事故の件数は、1990年代前半の683件に対して1990年代後半には1,252件と近代大幅に増加している。2002年のある1ヶ月だけで、禁止添加物入りシュウマイ(各社)、無許可香料入り菓子・飲料(グリコ、ブルボン、JT)、無許可添加物入り津乳弁当(中国産、雪印冷凍食品)、残留農薬入りほうれん草(ニチレイ、味の素、ローソン、加ト吉、ニチロ、他) 等十指にあまる事件が報道された。件数の増加だけではなく1990年代後半には社会の注目を集めた大きな事故、例えば1996年の患者数約1万人のO-157による食中毒や、患者数約1万5千人という2000年の雪印乳業の黄色ブドウ球菌による食中毒などが発生し、さらにダイオキシンによる資料・畜産食品・水産食品の汚染、、遺伝子組換え作物の食品への混入問題、最も人々を震撼させたBSE患畜の確認など生きるための食が死と背中合わせであると思わされる事柄が多発した。ほかにも国内外を問わず産地偽造事件があいつぎ、国民の食の安全性への不安は増大した。
このような状況をふまえて国は食品...