『象徴機能の発生について説明せよ(説明には子どもの行動についての具体的研究例も提示する)。また、教育との関連で大切な点を説明しなさい。』
『象徴機能の発生について説明せよ(説明には子どもの行動についての具体的研究例も提示する)。また、教育との関連で大切な点を説明しなさい。』
幼児期は、人格の基礎としての自我が芽生える時期である。子どもが自分なりの意図や予測を抱き、それにもとづいて行動するようになると、両親や仲間との衝突が起こる。しかしながら、そうした葛藤を経験するうちに、子どもは次第に自分を律していくことを学び、自分自身について認識を深める。また他者との交渉能力を磨き、周囲に適応した行動基準を身につけていく。他方、イメージを浮かべてものごとを考えるという表象能力が現れ、ごっこ遊びの中で自由自在に架空の世界を展開するようになる。そうした認知能力の発達にともなって、数概念や文字の習得も進行するが、日常の具体的な経験の中での子ども自身のイメージや気づきが大切にされなくてはならない。歩行がスムーズになると、子どもの移動範囲は親の目の届かないところへと広がり、他者と様々な交渉を持つようになる。手先も器用になり、興味をもったいろいろなものに手を出す。このような変化に応じて、親は子どもを社会的な存在として認め、子どもが見習うべきモデル...