ニーズという言葉は福祉以外の分野でも広く一般社会で用いられているが、政策的対応が必要とされるのは個人の主観に基づいた欲求に対してではなく、社会生活を営む上で必要とされるものの充足に対してである。三浦文夫は「社会的ニーズ」について、「ある種の状態が一定の目標なり基準からみて乖離の状態にあり、そしてその状態の回復・改善等を行う必要があると社会的にも認められたもの」と述べている。また三浦は上述の「社会的ニーズ」の定義に続けて、「厳密な意味での社会的ニーズは、そのニーズの充足が必要かどうかの社会的判断なり認識なりがなければ、それが社会的ニーズに転化されないことも当然起こりうる」と補足している。
さら...