社会福祉士の相談援助業務における専門性は、その業務に要求される高度の倫理性と一体で考える必要がある。病人に相対する医師や、依頼人に法の専門家としてのアドバイスを行う弁護士と同様に、社会福祉士も生活上の困難に直面している利用者を相手に相談援助を行う。ここでは利用者との間の援助関係と援助過程においてその専門性が充分に発揮されなければならない。その為に必要される専門性は知識・技術やその裏付としての資格にとどまるのではなく、他者に対する深い理解力・感受性、あるいは社会的・人間的な成熟もまた必要となる。相談援助における最も重要なツールは援助者自身であり、その自己覚知が充分でないと、専門性を発揮しての良い...