租税論 分冊1

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    経済租税論

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     政府は財政活動の財源を民間部門から調達しなくてはならない。財源調達手段としてはいくつかの方法が考えられるが、その中で租税は最もすぐれている。租税による民間部門から公共部門への強制的な資源の移転は、民間部門における利用可能な資源が税額分だけ削減されることを意味する。しかしながら、民間部門における課税の影響は資源の削減だけではない。その他にも課税に対してさまざまな経済行動がとられるために資源配分にゆがみが生じる。
     中立性の原則とは、民間部門において効率的に資源が配分されていることを前提として、その資源配分をできるだけ歪めない租税が望ましいとする原則である。たとえば、特定の財への重課によってその価格が上昇し、需要が減少するのは好ましいことではない。経済活動に歪みを与えたり、経済の活性化を妨げたりする租税は可能な限り避けるべきである。そこで市場の価格メカニズムだけではなく、労働と余暇や消費と貯蓄等の選択にも影響を及ぼさない租税が中立な租税といえる。しかしながら、外部経済の存在等によって先の前提条件が満たされない場合には、租税が価格メカニズムに影響を及ぼすことによって最適な資源配分が達成され...

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