ボラティリティ変動モデルによる効率的市場仮説の検証

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    資料紹介

    ? はじめに
     Fama[1970]は、「市場が利用可能な全ての情報を正しく反映するとは、過去及び現在の情報を価格が全て正しく反映しているという事であり、将来起こりうる価格の変化は、現在入手する事の出来ない新しい情報によって引き起こされる事になる。新しい情報はランダムに発生すると考えられるので、市場が効率的であれば、価格変化もランダムにならなければならない。」と述べている。これは、言い換えれば、利用可能な情報を全て用いたとしても、将来の変動予測をすることが不可能であるというもので、変動はランダムウォークであると言える。この効率的市場仮説の1つである弱度効率的市場仮説とは、過去の変動から将来の変動予測をする事が不可能であるというものであるが、実際にそのように言い切れるかを検証する事が本稿の目的である。本稿では、ボラティリティ変動モデルの一つで、統計ソフトRで使用可能であるGARCH(Generalized Auto-regressive Conditional Heteroskedasticity)を使用し、検証を行う。渡部[2000]では、ボラティリティを変化率の分散と捉えている。もし、ボラティリティが時間を通じて一定であれば、変化率の標本分散を計算する事で、その値を推定する事が可能となる。しかし、実際には、ボラティリティが一定である事は無い。だが、ボラティリティは投資リスクを表す指標であるから、その変動特性を明らかにする事は、投資リスクを管理するために必要な事である。また、このボラティリティ変動モデルは、ARIMA(Auto-regressive Integrated Moving Average)等よりも、市場変動を捉えやすいという特徴を持つ。
     以下、?章では、本稿で使用するGARCH過程及びARCH過程について説明し、?章では、使用するデータの説明とその特徴を確認して、加工している。?章では実際に統計ソフトRを用いて時系列過程を推定して、その結果を検証している。

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    ボラティリティ変動モデルによる効率的市場仮説の検証
    概要
     本稿は、ボラティリティ変動モデルを用いて弱度効率的市場仮説を検証している。ボラティリティ変動モデルには様々なモデルが存在するが、本稿で用いるものは、統計ソフトRで推定が可能なGARCH(Generalized Auto-regressive Conditional Heteroskedasticity)モデルである。ボラティリティ変動モデルは、ARIMA(Auto-regressive Integrated Moving Average)型モデルに比べて、より実際の市場の動きを捉えやすいという特徴がある。特に本稿では、効率的市場仮説を日次の円ドル為替レートを用いて検証したが、過去の変動情報を用いる事で統計的に有意な変動モデルを構築する事が可能であったため、弱度効率的市場仮説は棄却された。
    Ⅰ はじめに
    Ⅱ GARCH(Generalized Auto-regressive Conditional Heteroskedasticity)とその周辺
     ⅰ ARCH(Auto-regressive Conditional Heter...

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