序文
数年にわたってパーソナリティを計量的実験的に分析をしてきたEysenck, H.J.は、神経症的傾向(neuroticism)と外向性-内向性という2つの独立の因子を見出した(岩脇 1970.)。これら2つの因子を測定する道具として、Eysenckはモーズレイ性格検定(Maudsley personality inventory,MPI)を開発した。神経症的傾向( N )は情緒の安定、つまり情緒性、ストレスに対し、精神症的挫折に陥りやすい傾向のことをいう。外向性(E)は衝動的で社交的な特徴を表す。この2つの因子は、Eysenckのパーソナリティ理論の中核となるものである(岩脇 1970)。
Eysenckに従って、外向性の人と内向型の人の特徴を示すとつぎのようになる。典型的な外交型の人は、社会的で、会合やパーティーを好み、友達が多く、話し相手を求め、一人で読書したり仕事をしたりすることを好まない。刺激を求め物見多角、そのときのはずみで行動をする衝動的な人である。いたずら好きで一般的に変化を好み、気苦労が無く楽天家である。攻撃的ですぐ腹をたて、必ずしも常に信用できる人ではない。一方...