西洋の道徳思想について述べよ。
古代ギリシャにおける知の探求は当初自然に向けられていた。しかし、ソフィストたちが都市国家の担い手を育てることを職務とる中で、その対象は政治的・社会的な事項に向けられるようになった。彼らは、万人に妥当するような絶対的な真理はないと考えた。
人間に対する関心が開始するのはペリクレス時代に登場したソクラテスにおいてである。彼は、「人間のうちで一番知恵があるものというのは自分が無知であることを良く知っているものである」と主張し、アテネの市民に対して「偉大なポリスの一員でありながらただ金銭を多く自分のものにしたいということにだけ気遣っていて、たましいを出来るだけ優れた良い...