生徒に分かりやすく興味が持てるように授業展開して指導するのが、教師の役目である。そのために必要な努力は、いかに生徒の学習を効果的に促進させるよう働きかけるかを実践することである。これには生徒に学習するための心の準備ができているかどうかを考慮しながら、やる気を起こすための“動機づけ
を与えることが重要となってくる。
一般に動機づけ(モチベーション)とやる気は同義で扱われるが、心理学上では異質の概念として取り扱われている。やる気は動機づけの一部ではあるが、動機づけそのものではない。教師は生徒がやる気をもつよう接したり指導したりするのは必須であるが、動機づけを正しく理解することにより的確な対処ができるのである。
心理学辞典(中島義明他編)によれば、動機づけは「行動の理由を考える時に用いられる概念であり、行動を一定の方向に向けて生起させ、持続させる過程や機能の全般をさす
と定義されている。人間が行動をおこす際には何らかの動機(欲求・要求)が存在し、この動機を満たすための行動を考えて実行することになる。
「動機」は、“~したい、~なりたい”という内的変化もしくは状態を表す。「手段的行動」...