「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」(遥洋子)
大阪のタレント、遥洋子が、議論に強くなりたくて、東大の著名なフェミニストである上野千鶴子の特別ゼミ生になったときのレポートととしてこの原本は書かれた。ゼミを終了したとき、上野教授に宿題として出されたものがベースになっている。
帯には抱腹エッセイなどと書いているが、確かにタレントがいきなり最高学府の東大のゼミに入ったときの驚きやとまどいが正直に書かれていて面白いとはいえ、全体としては、かなり真面目な内容だ。
エッセイとは言いながら、随所に、上野千鶴子を初めとして、ゼミを通して学んだ著作の一部が引用されており、しかも、引用文献は、相当難解な内容のものからも使われている。かなり文献をしっかり読んでないと、このような的確な引用はできないことだと思う。なんでも、3年間のゼミを通して読んだ文献は500冊を超えるそうで、仕事の合間、そして大阪から新幹線を利用して通学した筆者のそのやる気、そしてそれを引き出した上野千鶴子という人物に対しても私は非常に尊敬してしまう。
著者が本気で『学ぶ』つもりでゼミに通ったのであることは、少し読み進めば分かりるけれど、その筆者をいろんな形で支えていく上野千鶴子の迫力を、この本は余すところ無く伝えてくれる。一般向きの講演会などでは見せない上野千鶴子の一面。本物のゼミ生すらが、下手なことをして上野を怒らせることを怖がる様子やゼミ発表で泣き出すまでゼミ生を言葉で追いつめる姿、ほとんど何も分かってない著者にすら発表やゼミの司会を求める姿。そこには、研究者として一切の妥協を許さず、ゼミ生にも同じことを求める厳しい上野の姿が、十分に描かれている。上野自身は、扉に「これは、私の知らない私です」と書いているが、本当は、「これが研究者としての私です」とでも書いた方が真実に近いのではないだろうか。
「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」(遥洋子)
大阪のタレント、遥洋子が、議論に強くなりたくて、東大の著名なフェミニストである上野千鶴子の特別ゼミ生になったときのレポートととしてこの原本は書かれた。ゼミを終了したとき、上野教授に宿題として出されたものがベースになっている。
帯には抱腹エッセイなどと書いているが、確かにタレントがいきなり最高学府の東大のゼミに入ったときの驚きやとまどいが正直に書かれていて面白いとはいえ、全体としては、かなり真面目な内容だ。
エッセイとは言いながら、随所に、上野千鶴子を初めとして、ゼミを通して学んだ著作の一部が引用されており、しかも、引用文献は、相当難解な内容のものからも使われている。かなり文献をしっかり読んでないと、このような的確な引用はできないことだと思う。なんでも、3年間のゼミを通して読んだ文献は500冊を超えるそうで、仕事の合間、そして大阪から新幹線を利用して通学した筆者のそのやる気、そしてそれを引き出した上野千鶴子という人物に対しても私は非常に尊敬してしまう。
著者が本気で『学ぶ』つもりでゼミに通ったのである...